<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(6) 「お前は北の森に詳しいのか?」 わたしは尋ねた。 「森に詳しいかですって?」 わたしは男を見た。 「森に住むことだってできますよ。森の西から東まで隅々まで知ってます」 「女豹族の一隊がお前を捕虜にしたんだな?」 「そうです」 「その隊のリーダーの名は?」 「ヴェルナ」 サモスがこちらを見た。満足だ。 「お前は自由だ」とわたしは男に言い、衛兵のほうに向き直った。 「鎖を外してやってくれ」 衛兵が鍵で手かせを外し、足首を固定していた鉄の留め金の鍵を開けた。 男は呆然としているようだった。 奴隷娘は声も出せず目を見開いている。後ろに飛びのき、パガ壷を掴んだまま首を振っていた。...
2009年9月27日日曜日
ゴルの狩人 5 【HUNTERS OF GOR】
<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(5) 鎖につながれた、衛兵に両脇を固められている裸の男奴隷にあごをしゃくり、 「奴隷か?」とサモスに聞いた。 「こっちにつれて来い」 サモスが言った。 かぶとをかぶった二人の衛兵が、奴隷の腕を取ってこちらに引きずってきた。それからまたひざまずかせ、ぼさぼさの黒い髪を引っ張ってわたしたちのサンダルの前に頭をつかせた。 女奴隷が笑っている。 衛兵が奴隷の髪から手を離すと、姿勢をまっすぐにしてわたしたちを見た。 誇り高き男のようだ。気に入った。 「変わった床屋に行ってるんだな」 サモスが言った。 女奴隷が嬉しそうにまた笑った。 頭の前から首の後ろに筋を刈られている。北の森の女豹族に捕らえられ売られた証だ。男にとってもっとも恥ずべきは、女に隷属して所有され、飽きたら売られて金にされるということだ。...
ゴルの狩人 4 【HUNTERS OF GO】
<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(4) ちらりと部屋を見渡すと、数ヤード向こうにタイルの上で、簡素なシルクをまとい、両取っ手のついた銅のパガ壷の脇で、跪いた奴隷娘が命令を待っている。黒髪の美しい娘だ。女は鎖につながれた男を一瞥し、長い黒髪をかき上げた。男は手かせをかけられ跪き、衛兵に挟まれて女をじっと見つめていた。女はそれに気づき、馬鹿にしたように微笑んでから、退屈げにそっぽを向いた。手かせをかけられたこぶしが握られるのがわかった。 「テリマはどうする?」サモスが尋ねた。 「わかってくれるさ」 「情報が入った」サモスが言った。「今夜お前が屋敷を出た後を追うように、テリマは湿地に帰った」 わたしは飛び上がった。 よろめき、部屋がぐるぐるした。 「テリマはどうすると思ってたんだ?」サモスが尋ねる。...
2009年9月26日土曜日
訳者の言い訳と解説 1
惑星ゴルには奴隷制度があり、その世界観がBDSM愛好者に絶大な支持を受けています。 奴隷は心からご主人様を愛し、ご主人様もまた奴隷を動物として扱いつつ愛している。 作者であるジョン・ノーマンがそういう方向に思想が行っていると考えられています。 ですがこの『ゴルの狩人』の冒頭から、そういうのって本当に愛なの? という問題を提起しています。 当然(?)、今回もその辺のことは描ききれてませんので、 答えがあると思って読むと疲れまする・・・・・・。 でも奴隷にしか興味ないよってことじゃなければ、 そういうつもりで読んだら良いと思います。 さぁて、がんばれ、アマチュア翻訳家の自分。...
ゴルの狩人 3 【HUNTERS OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(3) わたしはウバルの高タルラリオン騎手を動かし、サモスが余裕で守っているホームストーンの列を抑えようとした。 「おまえがマルレヌスの娘、タレーナと自由な伴侶になってからだいぶ経ったな」 サモスが言った。 「自由な伴侶は、一方の死によって次の年には更新されない。それにお前は一度奴隷になっている」 わたしは苛立ちながら、競技盤を見ていた。ゴルの法において自由な伴侶が無効になり、更新されないのは事実だ。それに自由な伴侶は誓約した伴侶の一方またはもう一方が奴隷に落ちれば、その時点で終結するのだ。わたしはヴォスクの三角州での燃えるような恥辱を思い出し、腹を立てた。自分は戦士だと思っていたのに、あの時わたしは跪き、名誉ある死という自由ではなく不名誉な隷属を請い求めた。そう、わたしカル港のボスクは、一度は奴隷になったのだ。...
2009年9月23日水曜日
ゴルの狩人 2 【HUNTERS OF GOR】
<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(2) 「タルン戦士を守れ」サモスが言った。 その代わりに、わたしはウバルをウバルのタルン戦士の1にさっと進めた。 わたしはサモスの目を覗き込んだ。 サモスはまた競技版に目を向けた。 大きくて角ばった顔、短く刈り込んだ白髪、顔は太陽で浅黒くなり、風焼けと潮焼けしている。 耳には金の輪がついている。サモスは海賊であり、奴隷商人であり、達人の剣士であり、カル港の船長である。盤をじっと見ていた。 サモスはウバルのタルン戦士を槍兵で取らなかった。わたしを見上げてから、 彼の書記の1でホームストーンを守った。 そこは彼のウバルのタルン戦士の3を制御し、対角線を仕留めるところだ。 「タレーナは、アルのマルレヌスの娘は北の森に連れてゆかれ、奴隷になったと聞いた」...
2009年8月12日水曜日
ゴルの狩人 1 【HUNTERS OF GOR】
<反地球シリーズ> ゴルの狩人 ジョン・ノーマン 1. リム(1) 「わたしは望まん」 サモスが競技盤から顔を上げて言った。 「北の森に旅立つことは」 わたしは競技盤をじっと見つめ、慎重にウバルのタルン戦士をウバルの書記の6に据えた。 「危険だ」 サモスが言った。 「あなたが駒を動かす番だ」 わたしは言い、ゲームをじっと見守った。 サモスはウバルのタルン戦士を槍兵で脅かし、ウバルの4にぐいと進めた。 「我々はお前が危険にさらされても関与しない」 サモスの口には微かな笑みが浮かんでいる。 「我々?」わたしは尋ねた。 「神官王とわたしだ」サモスが言った。 「もう神官王に仕える気はない」 「ああ、そうだな」サモスは言い、「タルン戦士を守れ」と付け加えた。 ...
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